温泉に入っても癒されるだけです

 農耕牧畜狩猟採集で得たものを売るゲームにハマっていた時期がある。

 売って得たお金で買ったプレゼントを渡して、毎日話しかけて好感度を上げた女の子と結婚する。というのが、定められたひとつのゴールだった。

 

 どのゴールに辿り着くためにも、とにかく稼ぐことが大切だった。

 が、稼ぎにつながらないこともする必要があった。野菜を売らないで食べたり、夜釣りに行かないで布団に入ったりする必要があった。このゲームには疲労度というパラメータがあって、あらゆる行動が主人公を疲労させたからだ。

 疲労度がMAXになると、主人公は倒れて、問答無用で翌朝を迎えさせられた。迎えた朝には疲労度はリセットされていたが、鶏に逃げられたり、カブが枯れたりしていることに気付くことになった。

 

 倒れないための裏技として、家の地下にあるふしぎな温泉があった。入ると、1回ほにゃららと決められた値が回復した。

 これ幸いと、倒れる寸前まで働かせた主人公を連続で高速で出たり入ったりさせた。20回浸からせると、1日の疲れが吹き飛んでいたようだった。

 

 

 風邪のひき始めに、このゲームのことを思い出すことが多い。家の地下にふしぎな温泉がないので、よく食べてよく寝なければならない。倒れたら、回復は翌朝よりも遠いので。