raven red

 夏のはじめに塗ったペディキュアを、全部剥がした。素足になった。

 夏しかしないから、してない時間のほうが長いはずなのに、足先だけ他人の足をみているような、不思議な違和感。

 きっと何回か寝て起きたら、もう自分の足になっていて。そしてまた来年の夏の終わりに、同じことが起きるのだと思う。

 

 

 良い習慣を始めた時、良くない状態に戻そうとしてしまう力。悪い習慣をやめてはみたけれど、大それた悪さじゃないから、と再び積み重ねてしまう力。それらは侮らないで放っておける程、小さくはない。

 すぐに楽な選択肢に逃げてしまいたくなるけれど、良い状態に今はまだ慣れていないだけ。と言い聞かせて、向いている方向は前でありたい。例え後退っている時でも。